代償

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って少し響がわらったきがした。。 そしてその日の夜に純にも同じことを聞かれる そして同じことを答えた 「お返しなんていらないよ」 毎回のことなので、 純はもう動じない むしろそれをわかってて 用意してた言葉を言う 「なんかお揃いで買おうか?」 「いいよ。そんなお金つかわなくて いつもご馳走とかしてもらってるもん」 「なんだよ・・・せっかく」 少し唇を尖らせて見せる姿が可愛らしい。 1つだけ欲しいものがあった。 出会った頃から純の手首につけている 数珠のような腕輪。 今まで何度言ってもくれなかったので 純にも絶対にもらえないものを 意地悪して 純の腕輪と手首の間に人差し指をはさんで 言ってみた 「んじゃ。これ」 「これはダメ」 「なんでよー。いつもそう!」 答えはわかっていたのに 拗ねてみせた。 後ろから包むように 純が私を抱きかかえ 自分の手首の腕輪を触りながら言う 「これだけは勘弁して下さいな」 「前の彼女とかにもらったんでしょ~ もういいもん」 そうじゃないことはわかっていながらも 純をさらに困らせる 「違えって」 「じゃあどこの女?」 「まぁ・・女には変わりないけど」 「やっぱり、女だー 怒んないから言ってよ」 「・・お母さんからもらった」 「え。。。」 純と私は境遇がにている。 どこにでもあるような話だが 親が離婚をして、 父親にひきとられている。 純は腕輪のことを話してくれた。 純が小学6年生の頃、 お母さんが出ていく前に この腕輪を ''幸せになれるおまもり'' と聞いてもらったという。 「なんか、幸せが逃げちゃいそうで はずせないんだよな。 子供みたいだけど」 恥ずかしそうに 少し悲しげに笑う純に 沈黙にならないように問う 「今は。。。幸せ?」 「うん。えみが隣にいるのが 俺の幸せ」 普通なら恥ずかしいようなセリフを おはようの挨拶をするように さらりと、当たり前のように言う純に 心の中で謝りながら 後ろを振り向き 彼の顔を胸にうずめるように 抱き締めた 「な?だからお揃いの 指輪でも買おう」 上目遣いで私に求めてく純に これ以上、 意地悪することも 拒否をすることもできず 「・・・・うん」 母親のような笑みを浮かべ そう答えた。
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