代償

18/20
前へ
/840ページ
次へ
幼い頃に 自分を捨てた母親に 今でも会ってみたいと願う純は 母と別れたその日のまま 時を止めてしまったのだろう。 温もりをさがしつづける その姿はまるで 小さな少年のようだ。 もし、これで私までいなくなったら…。 同じ境遇の時をすごした私は 純の孤独と悲しみが痛いほどわかり 泣きたくなった。 寂しがりやで 傷つきやすく 純粋な 私の恋人。 彼を一人にはしておけない。
/840ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加