代償

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響なら、そばにいてくれる女の人は たくさんいるだろう。 今日でこの気持ちはおわりにしよう 響のことはなかったことに… そうおもい、何気なく鏡を見て 心臓が大きく飛び跳ねた。 胸元にハッキリと残る 深紅の傷跡は 響と体を重ねた時に 彼が消えないように 痛みを堪えながら 付けて行った 噛み跡だった。 フラッシュバックする響との甘い夜。 嵐のような瞳に 溺れたまま身動きがとれず 闇にのみこまれてく。 おもいだすだけで 体が熱くなってくる。 その時 後ろから私を抱きしめて 眠っていたはずの純の腕が 少し力が強くなったきがした。 もう一度鏡を見ると 鏡ごしに純と視線が重なる。 迷子のように 悲しそうな彼の表情に 息をのんだ。
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