第八章

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自動販売機から缶コーヒーを二つ取り出す 「これでよかったか?」 梢に缶コーヒーを手渡す 「うん、ありがとう……」 さてこれからどう言うかな……缶コーヒーを飲み切らないように少しずつ、ゆっくりと飲む。 そこで話をきりだしたのは 缶を両手で包みながらうつむく梢の方だった。 「ずっと……ずっと言おうとしたんだよ……」 「それより車にはねられたんだろ?大丈夫かよ……」 「大丈夫だよ……でもそれより、鹿島君に聞いたんでしょ?」 「……鹿島が言う事を信じるなとか言ってなかったか?」 「そ、それは………」 頼むからそんな暗い顔をしなくてもいいだろ? 「まぁ別にいいけど 言おうとした事って…… 梢の双子の妹の事だろ?」 でもそんなに言いにくい事なのか? 「華那の事、だけじゃないの」 「だけじゃない?それって……」 そこで俺は 『Dear K.kirishima』の一文を 本当の意味で理解した。
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