第九章

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――朝―― 部屋の窓から暖かな日差しが入り夜が明けたのを告げた 「昨日の雨が嘘のようだな」 でもどんなにいい陽気でも俺の気持ちはどこか晴れない、なにしろあれだけの事があったし ……昨日の事が記憶から消えることは、きっと世紀が一つ二つ進まないとないだろうな 俺は部屋にある時計に目を移すと、普段よりかなり早く起きているのに気がつく 「まぁ、早起きはいい事だが……早過ぎるのもな」 ハンガーにかけてある 傘もささずに雨粒に打たれた制服は思ったより乾いていた 「よく乾いたな~これ。 あんま脱水しなかったんだけどな……」 しかしどうするかな、 まだこの時間だと学校に行っても多分先生すらいないだろうし そこでふいに思い立つ 「……そうだ。あそこに行ってみるか」      
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