第九章

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予鈴が鳴る寸でのとこで教室に入れた 「危ない危ない……」 「おはよ、夢人」 早速声をかけてきたのは瑠海、 昨日が昨日だったから表情から疲労の色が伺える。 目の前で梢が車に引かれるの見ちまったんだし、 「大丈夫か?瑠海」 「うん。それより夢人は昨日病院には行った?」 その質問の意味を予鈴が鳴った教室を見回して理解した “梢がいない” 瑠海はあの後梢がどうだったのか知らないのか…… 「梢は大丈夫だったよ。 大した事なさそうだったし…… 安心しなって」 「じゃあ行ったんだ……」 あの雨の中をずぶ濡れになっていったんだけどね 「元気、って言えるかわかんないけど 安心、して……」 俺がそういったのに 瑠海の表情は心底沈んでいた……
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