第九章

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そして放課後 一緒に帰ろうとの友達の誘いを断り、朝からずっと元気のない瑠海に声をかける 「瑠海、一緒に帰ろうぜ」 「うん……そうする」   右隣りを一緒に歩く瑠海の足もどこか重々しい 「……ホントに大丈夫か?」 「正直あんまりね……」 「昨日の事で、だよな 梢が目の前で……」 「もうあんなの見たくないよ……すぐ目の前で梢ちゃんがはねられたんだよ?」 急にうつむく 「救急車が来て、 梢ちゃんは運ばれて、 夢人は携帯つながらないし」 ごめん。と口に出さずに言った 「私とっても怖かったんだよ……」 いつもの元気さを振る舞おうとしているようだけど声が震えてる…… 俺は右手を伸ばし優しく肩をたたく 「大丈夫だって。怪我も大した事なかったし……また明日にでも学校に来るって!」 ホントは怪我の程度なんて俺にもわからないけどな…… 「瑠海がそんな暗い顔してたら逆に心配させちゃうだろ?」 瑠海の顔を覗きこみそう言った
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