第三章

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「はいはい、今は授業中だぞ?続きは後」 そして授業開始 (昨日瑠海が休んだのはそのせいか。彼女、俺の名前に反応してたな……) 授業も終わり休み時間。 「ねぇ霧島さん誕生日いつ?」 「5月14日だよ」 「なんて呼べばいい?」 「呼び捨てでもちゃん付でもいいよ」 「それじゃあ……」 こんな時期の転校生だし……質問責めだな しょうがない、俺は後にするか…… そしてようやく放課後。 「お疲れ様~~」 「そんな事はないよ、えっと……」 「私は時村瑠海。よろしくね~~」 「こちらこそよろしく、瑠海ちゃん」 「私も梢ちゃんって呼ぶから~」 「うん、いいよ」 ………。 「あれ?夢人?」 「………。」 「……瑠海、ちょっと二人っきりにしてくれるかな?」 「え……わ、わかった。」 瑠海は訝しげな表情を浮かべ教室を出ていった 「「………。」」 二人の間の沈黙。 それは文通のみで話した今までの時間をゆっくり溶かしていくような時間。 長く、とても永く感じた。 あの彼女が今俺の目にいる……
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