第三章

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その長い永い沈黙を破ったのは俺。 「わかる……よな?」 「うん。」 「もう大丈夫なのか?」 「うん。」 「………。」 「………。」 (さてどうしよう……必死に言葉を紡いでも出てこない) 「ねぇ、君も何を言えばいいのかわかんないんでしょ?」 「あれ?もしかして同じ事考えてた?」 「うん、私も」 「なんかいつもは返事はすぐにかえってくるものじゃなかったしさぁ……」 「でも今は目の前にいるね」 「ホントはこれが当たり前なんだけどね。」 「でもなんかいいなぁ~」 「なにが?」 「だって……ずっと文通してきたでしょ?だからね、ついさっきまで顔も知らなかったんだよ?」 彼女が目線をそらした 「そりゃあそうだ、お互い初対面だしな」 「なんかそれが、なんだろうなぁ……言葉に表せない理由なのかなぁ?」 「うん、そんなとこだろうな」 「それじゃ……改めて 私は霧島梢、梢でいいよ!」 「俺は冨樫夢人、夢人でいい」 「よろしくね!!」 「こちらこそ!よろしくな!」
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