第六章

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……俺は軽く自分を嘆いた いくら考え事をしてたからって まさかカバンを忘れるとは…… 「まさかなくなってるとかいうのはないよな……ありませんよね?」 返ってくるはずもない不安を口にしてみた。 そう思うと高台へ向かう足取りも自然と早くなる 坂を上がり数段の階段を跳び越え、高台に着いた。 すると、目に飛び込んできたのは…… 「……すごいな。さっきは気付かなかったけど……今日って満月だったんだ。」 さっきはちょうど木に重なっていたみたいだが、今はそれが思わず口に出る程くっきり見える。 「綺麗だよね~~澄んだ星空に浮かぶ満月なんて~~」 「!?」 その頃 梢は今までの手紙を読み返し、どうしようもない溜息をついた…… 『Dear K.kirishima』 という必ず書かれた一文を見つめながら……
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