第六章

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高台での幼い頃から星空を眺めるための絶好の特等席である芝生に、幼い頃と同じように (今さっき思い出したのだが…) 俺と瑠海、二人きりで座り 満月を見上げている。 輪郭のはっきりした満月の下、星空を眺めながら話している 「そっか……だから自己紹介の時にいきなり呼ばれた訳か。」 「そうじゃなきゃ言わないよ」 「だろうな、なら早く言えばよかったのに……」 「そんなの思い出して欲しかったよ~~!」 「……確かに。でも本当に気付かなかったぞ?」 「え~~私はすぐにわかったのに~~!」 また瑠海の頬が膨れる ……可愛いな。 「それより、俺は何を約束したんだ?」 「えぇ!?いや、それは……」 さっきからこの話題になると すぐに瑠海が焦る。 焦る?なんで? そう思ったので口に出した 「……なんか焦ってないか?」 「べ、別に……焦ってないよ」 「決してそうは見えないぞ…… ほら、言ってみろよ」 そう言って俺は芝に寝転んだ
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