第七章

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少し待っていれば雨も止むだろ……と思ってたけれど あまかった。 雨粒は強く地面をたたき 風は教室の窓を激しく揺らす 「……ホントに止むのか これ」 「夢人どうする?」 「この雨だしな…… 傘が意味をなさなそうだ」 「じゃあもう少し待ってよっか……」 「そういえば……親戚だっけ? もう大丈夫なのか?」 「え……まだ起き―― 雨音が梢の声を掻き消す 「ごめん、今なんて?」 「ま、まだよくならないんだ……」 梢が顔を伏せた 「あ、悪い………」 ……頼むよ、その顔の陰りは この雨風のせいか? それとも……  
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