第八章

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  瑠海の話を聞けば聞く程 俺の背中を何か凍りつく程の冷たいものが通り抜ける感じがする。 梢が車にはねられた? 救急車で病院に運ばれた? 瑠海にその病院の名前を聞くと 俺はすぐさま自転車の鍵を取り 全速力で雨の中を駆け抜ける。 「ここからだったら、チャリの方が速い!」 鍵を素早く外し全力でペダルを漕ぎ出す 大粒の雨が俺の体にうちつける ……でも 今の俺には少しでも早く病院に着く事しか頭になかった。    
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