第八章

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    「あった!これだ!」 瑠海のいってた“総合病院”と言ったらここしかない。 あの周辺の病院といったら かなり大きくて目立つここしかない。 自転車を乱暴に止めてから 入口の自動ドアを通り ナースセンターの人に尋ねる。 「はぁはぁ、ここに梢の…… じゃない、霧島梢の病室は?」 「どうしたのですか!? そんなずぶ濡れで……」 そんな事は今関係ない。 「霧島梢の病室は!!」 「え、えぇ……霧島…… あぁ、508号室ね」 「どこですか!」 「五階ですよ。あそこの階段かエレベーターで…… ってあれ?今の子は?」 階段を五階まで駆け上がり 番号から508号室を探す 「ここ、か……」 少し息を整えてから508号室の扉を開ける。 部屋は電気がついておらず、 薄暗い室内にはポツンとベッドがあった。 近付こうと足を踏み出した時 俺の後ろから廊下の光が入り込んだ…… 「なっ……」 そこには見慣れない医療機器がベッドの傍に置いてあった。
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