第八章

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「なんだよ、走れるじゃねぇか!!」 俺は鹿島を放って足音のする方へ華那の病室を飛び出した。 「おい!待てって、梢!」 病院は走るもんじゃないが今そんなのは関係ない 「止まれって!」 梢に追いつき肩を掴むと流石に止まった。 「はぁはぁ……梢大丈夫なのか?」 「……うん」 「嘘つくなよ。足ひきずってただろ?」 「痛いの……」 「痛いならなんで走ったり……」 「とても痛い、痛いんだよ……」 「梢、本当に大丈夫な―――   梢は振り向きざまに、顔を俺の胸に埋め、抱き付いてきた。 「なっ!ちょっ……」 いきなり抱き付かれたりしたら誰だって慌てる   でも今はそうゆう場合じゃなかった   「痛かった……ホントに痛かったし、怖かった。」 「怖かった?」 「うん、何度も言おうとしたんだけど……ごめんね?」 嘘、だろ……梢が…泣いてる?        
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