~重過ぎる過去~

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セルティマは悲しい目で ベルハウトを見つめる。 「セルティマは、ここに居る方が楽なんだろ?」 「……かもね…。でもオレは……ー。」 彼は力を失い、 ゆっくりと崩れかかる。 倒れるセルティマを ベルハウトがすぐに支えた。 「セルティマ!大丈夫か!?」 「…ぁ…ごめん…。ちょっと…無理…っぽい…。」 「…分かった。横にさせるから待ってろ。」 彼は優しくセルティマを 横にさせて すぐに手当てを施す。 「…ベルハウト…?」 「…ほんとの所は、カリスの治療術をかけた方が手っ取り早いんだけどな…。」 「…オレは…ベルハウトの…手当てでも…嬉しいよ…。」 セルティマは頭を もたげて弱々しく答えた。 しばらく沈黙が続くが、 横になった彼が 静かに尋ねる。 「ベルハウト…、聞いてもいい…?」 「ん?あいつらが来るから…、少しならいいけど?」 セルティマは息を整えて ゆっくりと声に出した。 「ベルハウト、君は…どうして…オレを助けるの…?」 青年の言葉に ベルハウトは憂いた表情で 言い捨てた。 「…出来る限りの事はしたいから。」 「それは…君が…ー。」 セルティマは起きて 尋ねようとするが、 足音がこちらへかけて来る。 「すみません。遅れました…?」 「あぁ、ウルク遅かったな。」 「…あの、どうしたんですか?」 成り行きを知らない彼らに、 ベルハウトはこうなった いきさつを話す。 話がまとまった頃、 リスフェルとエリオットは 顔をしかめて 呻き声を上げる。 「…もう…無理…。」 「…頭が…割れ…そう…!」 「二人共、大丈夫か?」
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