~闇に沈む~

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       † 一同が戻ると、 そこには力尽きて倒れた ベルハウトが待っていた。 「ベルハウト!」 「…多分、立って歩くだけでも大きな負担だったんだ。」 「急いで介抱しましょう!」 ウルクを筆頭に一同は、 ベルハウトの介抱に当たる。 再び意識を無くした彼は こんこんと眠り続けている。 「……ベル…ハウト…。」 「エリオットは果物を剥いて。」 「あ…はい…。」 彼の傍でエリオットに、 セルティマが果物と それを剥くナイフを渡す。 しばらくぼーっとする 少年にセルティマは 声をかける。 「…指怪我する。」 「ふゅわぁっ!?あっ、痛っ!!」 「あぁー…。」 呆れたように、セルティマは 指を切ったエリオットに 手際良く手当てをする。 「ほい、もう大丈夫だよ。あの子みたくうまく手当てしてやれないけど。」 「…セルティマは…聖職者…だから…こういうの…得意…なんですね…。」 視線を落として 気弱なエリオットは言う。 「…早く元気になってほしいよね。君の憧れの人だもん。」 「…!?」 「見てるとよく分かる♪ベルハウトの前じゃ上がりっぱなしだから。」 エリオットは図星だった。 セルティマの言葉に 彼は顔を紅潮させる。 「今は支えてあげよう。はい、任せた。」 「あ…ぁ、はい…。」 セルティマは頬笑んで 立ち去った。 一方、リスフェル達は 食事の準備をしている。 「…ベルハウト…死んだりしないよね…。」 「リスフェル、しっかりしてください。」 「リスフェル、だいじょうぶ?」
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