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「あぁ、待っていてください。えっと…あ、このパンが残っていました。」
「…ありがとう…ウルク…、もらうよ…。」
小麦の香りがしっかりと立つ
パンをウルクから
譲り受けて、
ベルハウトは鼠のような口で
かじりついた。
「…バターの味がしっかりする…。懐かしいな…。」
「…ベルハウトってパンが好きなんだ。」
「…道中…こればっか食ってたから…。」
何を考えたのか
ベルハウトは、
顔にしわを寄せて
一人考えていた。
「…どうかしましたか?あの、ベルハウト…。」
「…リスフェルは、俺の事…どう思ってんのかな…?。」
沈黙していたベルハウトは
ずいぶん初歩的な
質問を投げかけた。
「ベルハウト…、今の質問の答えは…上手く答える事は出来ませんが…。リスフェルはきっと、あなたの事を特別な存在だと思っていますよ。」
「ウルク…!」
「過去の流れを見れば…僕でも途方にくれていた時に、あなたが手を差し伸べてくれたら…。」
ウルクは自身の考えを
ベルハウトに伝える。
「…特…別…。」
困った表情を作る
ベルハウト。
「…リスフェルのために、今度はベルハウトが立たなくてはなりませんね。」
「オレも手伝うよ?応援してるぞ、ベルハウト。」
「…その前に…メシを食べたい……。」
小さくかじっていたパンを
食べ終えて、ベルハウトは
本格的に体の中に
足りない物を
補おうとして、
さらに食料を要求する。
一度切り替えがついた彼は
肉から野菜などを、
沢山食べた。
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