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一通り食べ終えた
ベルハウトは、
次こそはと足に力を込める。
「…つ…う…!」
「だいじょうぶ?…ベルハウト。」
「あっ…、ベルハウト…ここ…でしたか…。」
教会の広間にやって来たのは
エリオットとカリスの二人。
荒息吐く彼に駆け寄る。
「だ…大丈夫…!…ほ…ら…歩ける…。」
それでも足下は、
酷く危なっかしい。
転けそうな所を
ウルクが横から支える。
「ウルク…ッ!!」
「…彼女達の前で醜態は晒せない…でしょう?」
「ちょっとはオレ達の事信頼してほしいなぁ♪」
「…セル…ティマ…。」
ベルハウトは奥歯を噛み締め
己の無力さに顔を背ける。
「…ベルハウト、いいですか?」
「……?」
「誰かの力を借りなければ、人は成り立ちません。例え僕でも、誰であろうと、独りだけでは生きていけません。」
そう語るウルクからは
いつもと違う気迫を感じる。
「…エリオット、リスフェルはどうしました?」
先ほどとは違う
穏やかな調子で彼は
ベルハウトを支えつつ尋ねた。
質問を投げかけられた
エリオットは言葉に詰まる。
「あっ、はっ、あの……。」
「ここに見えないと言う事は、彼女はベルハウトが休む部屋に居るのですか?」
「…そ、そう…です…。」
「カリス、リスフェル…だいじょうぶ、ない、よ…。」
伝えたい事がちぐはぐな
カリスの言葉に、
エリオットがもどもどした
補足説明を足す。
「…あ…の…。リスフェルは…戻ってきてすぐに…別の寝台に横に……。」
「リスフェル、だいじょうぶ、ない、かな…しい。」
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