~暴走の果て~

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「予想的中ってやつ?」 「リスフェルは『魔力』を体に溜めて、魔術が行使出来る状態ですね…。まさかここまで侵蝕していたとは…。」 「えっ、ええっ!?リスフェルが…魔術…を…。」 エリオットは変わり果てた 彼女の姿を見て言葉を失った。 『ふぅあぁああ゛っ!!』 「身を伏せて!第二派が来ます!!」 『みんな集まって!カリスも早くっ!!』 セルティマが みんなの手を引き、 巨大な魔術を詠む。 『守護しちゃえ!!大きな大きな光の壁!プロテクション!!』 錫杖の先から虹色の光が 六角形の巨大な盾になり、 リスフェルが生み出した 爆風をせき止める。 しかし、彼女の力が強いのか セルティマが 組み上げた盾の魔術は、 端の方から亀裂が 走り始める。 『あっ…づっ…!保たないって…!!』 「魔力を増幅させます!」 「カリス、も、がばる!!」 樹海から流れる魔力を 体にまとわせて、 ウルクとカリスも セルティマの魔術に 波長を合わせる。 『ふんっ!!』 『はあっ!!』 盾は二人のおかげで 爆風をやり過ごす事が出来た。 しかし、三人は限度を越す 魔術を使ったために 動く余力を失ってしまった。 「ぜぇ、はぁ…も、もうだめだ…。」 「あっ…リスフェル…だめ…!」 カリスの制止も空しく、 少女は手にした強大な力を 振るい続けた。 辺りはもう何も 存在しなくなった。 後ろに魔物の危機から逃れた 白い町がたたずむだけ。 セルティマもカリスも 彼女の狂った力によって、 死の瀬戸際に立たされた。
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