~暴走の果て~

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「ぁあ…!」 「くっ…かはぁ…。」 真っ暗な闇夜にリスフェルの 焔がぐらぐらと揺れて 倒れる四人を照らし出す。 中でもウルクはエリオットを 抱きかかえて彼を 庇い続けていた。 「ひっ…ひあっ…や…やだよぉ…。」 「…今は…耐えて…くださ…い…。」 酷く怯えるエリオットに ウルクはずっと優しい声で 励まし続けた。 そんな彼もリスフェルの 狂気の技に深手を負っている。 「ぐっ…がほっ…!」 「…ひああっ!!」 咳き込むウルクの口から 黒血が零れた。 エリオットは恐怖心で 我を失い錯乱する。 「嫌だ嫌だ嫌だっ!!」 「落ち…着いて…っ!づ…う…!」 「あっ!あぁ!ウルク…。セル…ティマ…。カ、カリス…。」 それぞれが力尽きて 倒れている。 エリオットだけがウルクの 腕の中でがたがたと震えた。 「か…ならず…。リス…フェルは…戻って…き…ます…。だか…ら…。」 ウルクは力を振り絞り、 かすれる声をかけた。 リスフェルは元通りに なると信じて… その想いは魔物同然に化した 少女に届きはしなかった。 『ああぁ……。』 次は何に目を付けたのか 獣のようにぎらつく 灰色の目で微動だにしない 倒れた三人を睨む。 『…ああぁあ♪』 「…だ…め…。リ…ス…フェ…ル…。」 頭をもたげてカリスは 豹変したリスフェルに、 祈り願う悲しい瞳で 彼女を見上げた。 「あっ…カリスッ!!」 「エリ…オットッ!!あっ…。」 今まで守られ続けた エリオットがついに 行動を起こした。
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