平和になってみれば、意外と人は協力しなくなるもの

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教壇の上に立ち30人前後の生徒を目にし、やっぱり思う。 ・・・・お腹痛ぃ しかし、こんな場で固まってしてもしょうがない! 「はぁーい♪じゃ、自己紹介からお願いします」 となんとも呑気に言ってくれる先生じゃないか! 美人だから許せるが、これが中年おばさんだったら犯罪級だぞ!! 「・・・転校生の、火野村優人です・・・」 「うん♪じゃあ得意魔法とか好きなこととか言ってみようか」 あまりに短い自己紹介だったからか、先生がフォローをくれた。 ヤバい!この先生良い人や!! と、そうか。 自己紹介だからといって名前だけではいけないのだ。 ちなみに得意な魔法といっていたが、それはもちろん、ここが魔法を学ぶ学校だからである。 魔法がこうして実用されていると何とも不思議だ。 「得意な魔法は・・そうだな。炎系の魔法が得意かな。下級の炎系魔法ならたぶん全部使える」 魔法にはいくつも種類、属性、上級下級など色々あるがそこはそれ、一般常識的なアレだ。 属性にしても、火、水、風、土、電などなど、実際そこに含まれない属性も存在するので、一丸にこの世界に存在するのはいくつの属性だと断言はできない。 「へぇ~♪下級全部かぁ!」 俺が言った下級全部とは、そのままの意味で炎系統の下級魔法を全部覚えたのだ。 転入したのはこの学校の高等部の2年だ。 このくらいになれば、大体の生徒は下級、中級魔法をある程度使えるはず。 上級の魔法はたぶん3年になってからだろう。 自己紹介もこれでいいのか?と悩んでいると真ん中くらいの席の男子が手を挙げながら質問してきた。 「はい、質問質問!下級以外に、っていうか、一番強い魔法って何が使えるの?」 「あ、それ私も気になる~」 「うん僕も~」 などなど、何だかにぎやかになってきた。 これは速く言って早く静かにしてもらわないと・・・ お腹が・・・ッ!!
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