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天正10年(1572)6月2日、家康は半蔵と配下に連れられゆるゆると堺を去った。
大阪・大和・伊賀を抜けて伊勢へ出て、そこから海路で三河へ帰った。
畿内を抜ける間は半蔵に説得された甲賀衆も家康の警護を手伝った。
半蔵の先見の明がはやくも役にたったかたちだ。
このことは後世、江戸時代にいかにも奇跡的な脱出劇として「神君伊賀越え」として語り継がれた。
三河に帰った家康は畿内のことはさて置き、自分の領国の安定をはかった。
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