願いをこめて七夕を

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夜、酒をかわしている11時 明日の久し振りのオフをもらった井本と俺は何をしようかと喋っていた そこへお気に入りのぬいぐるみを抱えて貴一が胡座をしている脚にちょこんと乗ってきて上を向いた 何を話しているのか気になるようすだ 「もう寝なあかんで?」 「もぅちょといる」 「起きてんのは10時まで言うたやろ、ほら行くぞ」 「いやぁ…ぼくもここにいる!」 「10時までには寝る言うて約束したやろ?」 我が家では貴一のための掟があった 夕方の5時のチャイム前には帰ってる事、10時までには寝る事 仕事の都合上で決めた掟やけど、普通の家庭にでもある掟だど思う 守れなかった場合、井本のお叱りが待ち受けている 井本は後輩に怒るていで貴一にも本気で怒るからうかうかと破れない 「少しだけやど?」 「うん!」 貴一は諦めた井本をよそに嬉しそうに頷いた .
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