一章×ゴミでも拾えば所有者です!

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おじいちゃんとタツさんからユニフォームのプレゼントをもらってから早1ヶ月が経過。 その日、私は薄暗い路地を歩いていた。 「こう……内角に甘く入ったスライダーを……こうっ!」 興奮冷めやらぬまま、今日の試合で見たラビッツ4番、平田選手のホームランを思い返しつつ真似る。 試合には負けてしまったが、それに食らい付く勢いを見せてくれたチームに感動し、私はとても機嫌を良くしていた。 明日から土日の連勤。こうテンションが高いと仕事にも精が出るというものだろう。 メガホンやサイングッズ、2人にもらったユニフォームの詰まったバッグをブンブンと振り回す。 こんな姿、学校のみんなに見られたら引かれるだろうか……。 いや、むしろ本望のはずだ。私は自分にそう語りかける。
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