序章×北沢美緒、元気です!

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私自身からすれば不思議でもなんでもないカミングアウト。 しかし、この場のみんなにとっては、予想以上の衝撃だったらしい。 「笑ったってどういうことだよ……」 「美緒ちゃんが?」 「待て、きっとこれも社長の為のジョークだ」 私に隠せる距離でもないのに、ぼそぼそと喋り始めるみんな。 おじいちゃんとタツさんに至っては、まさに絶句といった表情。 ……困った。 どうも相手が真剣に困ると、私も何も言えなくなってしまう。 どうしようもなくなった末の私の決断は……。 「てへっ」 いつもの表情に戻り、舌を出しとぼけるくらいだった。 事務所がホッとした空気に満ちると、タツさんが元気を取り戻し、口を開いた。 「よっしゃ、今日は飲むか」 「私、未成年だけど」 ストップ、未成年の飲酒。
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