2/2
前へ
/2ページ
次へ
「ナギ!!もう朝だよ!! 早く起きないと、行かせないって ママがいってたよ!?」 サツキってばうるさい。 あたしが旅に行くの羨ましいからって・・・。 だいだい、サツキの言うことって信じられないんだから。 いっつもウソばっ・・・ 「えぇ!? サツキ、あんた今日こそホント!?」 「そうだよ」 いつも当たり前のようにあたしの部屋に来て、同じことを言う。 昨日までなら、舌をだして憎たらしく笑うんだけど、今日の動きは縦だっだ。 「なにが『そうだよ』だ!!!」 いつもの仕返しとばかりに、妹の2つに縛られたオレンジの髪を、握力30越えのあたしが本気を出して引っ張ってやった。 ・・・ん? 握力は関係ないか? 「いたたたたたたっ!!!!やめてよ、ハゲるじゃん! ナギってば怪力ぃー!! ママに言いつけるからね」 「おまえは幼稚園児かっ!! でもそんなことしてみろ、サツキの自慢の髪の毛。 どうなっても知らないよ?」 あたしがニッコリ笑いかけると、サツキは真っ青になって部屋を飛び出して行った。 ホントにお母さんに言われたら、あたしはもう終わりだよ。 あの人、まだあたしを旅に出すのに反対してるんだから!
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加