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「ナギ!!もう朝だよ!!
早く起きないと、行かせないって
ママがいってたよ!?」
サツキってばうるさい。
あたしが旅に行くの羨ましいからって・・・。
だいだい、サツキの言うことって信じられないんだから。
いっつもウソばっ・・・
「えぇ!?
サツキ、あんた今日こそホント!?」
「そうだよ」
いつも当たり前のようにあたしの部屋に来て、同じことを言う。
昨日までなら、舌をだして憎たらしく笑うんだけど、今日の動きは縦だっだ。
「なにが『そうだよ』だ!!!」
いつもの仕返しとばかりに、妹の2つに縛られたオレンジの髪を、握力30越えのあたしが本気を出して引っ張ってやった。
・・・ん?
握力は関係ないか?
「いたたたたたたっ!!!!やめてよ、ハゲるじゃん!
ナギってば怪力ぃー!!
ママに言いつけるからね」
「おまえは幼稚園児かっ!!
でもそんなことしてみろ、サツキの自慢の髪の毛。
どうなっても知らないよ?」
あたしがニッコリ笑いかけると、サツキは真っ青になって部屋を飛び出して行った。
ホントにお母さんに言われたら、あたしはもう終わりだよ。
あの人、まだあたしを旅に出すのに反対してるんだから!
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