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「あのクスリというのはね、一種の暗示なのよ」
「暗示?」
8本の足を艶かしくゆらゆらと揺らす海の底の魔女は側近に自慢気に説いて聞かせた
「彼女の恋が実らない時、泡になって消えるのでは無いのよ。彼女自身で泡になることを選んでしまうの」
側近は黙って聞いている
「彼女の心から生まれる『叶わなかった』という気持ちが泡にさせてしまうの。そのことに気がつけば、あるいはクスリの効果は消えてしまうわね」
「つまり、」
側近は全てを理解した
「姫の考え方次第で生きるか死ぬかが決まると?」
「そうよ」
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