恋に堕ちる時!

12/19

930人が本棚に入れています
本棚に追加
/322ページ
「・・・・・」 確かに変人の言う通りかもしれない。何も知らない他人の方が愚痴を溢しやすい時もあるだろう。 ・・・・だけど、今のこの状況では逆に言いづらい気がするんだが・・。 無言のまま耳を澄ましてみると、木の向こうにいる変人はまたもや鼻歌を歌っている。 ・・・なんか、呑気な奴。 でも逆に有難いかもしれない。"悩み聞くよ!"的な感じで身構えられると意外と言いづらいもんだし、もしかしたら言いやすくしてくれてる・・のかも。 すぅっと深呼吸をした後、未だ聞こえてくる鼻歌に被せる様に、俺は話し出した。 父さんが病気で死んでから、母さんが一人で育ててくれたこと。 二人きりの家族なのに思ってることが言えないこと。 母さんも同じ感じなんじゃないのかということ。 母さんは俺が邪魔なんじゃないか、ということ・・。
/322ページ

最初のコメントを投稿しよう!

930人が本棚に入れています
本棚に追加