~第一章~祝!入学『枢木(くるるぎ)学園』!!

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「....懐かしいねぇ。 これ買いに来たときはお爺ちゃんと一緒だったっけねぇ。」 「うん、.....そうだったね。」 春のやさしい風が僕らをそっと撫でるように通り抜け、 この沈黙を少し和らげたように思えた。 「っで、どうするんだい? 新しいの買っていくかい?」 おばちゃんの問いかけに僕はううん、と首を振り、シャーペンを見つめた。 あの頃カッコイイと思ってた炎のドクロマークも、でかくになるにつれ恥ずかしいワンポイントに変わって、 芯を蓋する役目をになってた棒消しもなくなって..... それでも、手放す理由にはなれないよな。 「新しいのは買わないよ。 今日はコイツの芯を買いに来たんだ。」 「ふふふ....そんなに大切にされて、 その子もうれしいだろうね。」 「ははは...。 もしそうなら僕も嬉しいね。」 お代をおばちゃんに払い、芯を受け取っ.....? 「おばちゃん、芯ひとつ多いけど....」 「おばちゃんのサービスだよ。 持っていきなさい、幸人ちゃん!」 おばちゃんは昔と変わらないウインクをして僕を見送った。 僕も昔みたいに最高の笑顔でお返しし、「ありがとう、おばちゃん!! 行ってきます!!」っと言葉を送り、駅へと駆けた。
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