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「釜鼬か・・・! 洒落た挨拶だな? お嬢さんよ !」
視線は彼女からは離さず、腕を口元に運び、流れる血を舐める。
゛こいつ・・・異界のものか?月讀が異界から巫女を連れてきたという話は小耳に
した・・・しかしこんなふざけた野郎が巫女の筈が無ぇ・・むしろ妖に近い"
「お前・・鬼か? 風をあやつる鬼など聞いた事も無いが・・・」
竜尊はじりじりと間合いを縮めながら、それでも敵意を放つ相手から視線を離さ
ない。
「貴様に応える筋合いは無い」
見た目の殺気立つ容姿からは掛け離れた、鈴の様な声だった。
「おや・・・可愛い声じゃないか。お嬢さん・・・俺の名は竜尊・・君の・・・な」
攻撃を受けていた割には、ひょうひょうと薄ら笑いさえ浮かべる竜尊が更に一歩
間合いをつめた時、彼女が言霊を発し、釜鼬が今度は連続で降り注ぐ。
竜尊がそれを連続して御柱を打ちたて、崩れる土埃の中、一気に間合いを詰めた。
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