第 1章  巫女 

8/41
前へ
/433ページ
次へ
「釜鼬か・・・! 洒落た挨拶だな? お嬢さんよ !」 視線は彼女からは離さず、腕を口元に運び、流れる血を舐める。 ゛こいつ・・・異界のものか?月讀が異界から巫女を連れてきたという話は小耳に した・・・しかしこんなふざけた野郎が巫女の筈が無ぇ・・むしろ妖に近い" 「お前・・鬼か? 風をあやつる鬼など聞いた事も無いが・・・」 竜尊はじりじりと間合いを縮めながら、それでも敵意を放つ相手から視線を離さ ない。 「貴様に応える筋合いは無い」 見た目の殺気立つ容姿からは掛け離れた、鈴の様な声だった。 「おや・・・可愛い声じゃないか。お嬢さん・・・俺の名は竜尊・・君の・・・な」 攻撃を受けていた割には、ひょうひょうと薄ら笑いさえ浮かべる竜尊が更に一歩 間合いをつめた時、彼女が言霊を発し、釜鼬が今度は連続で降り注ぐ。 竜尊がそれを連続して御柱を打ちたて、崩れる土埃の中、一気に間合いを詰めた。 image=451922158.jpg
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加