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惨状に現れたのは、この常盤國の陰陽師“月讀”(つくよみ)と 居候の妖狐“久遠”
(くおん)だった。
通りに面した 長屋があっただろうと思われる剥き出しになっている更地に、二人が
呆然と立ち尽くす。
月讀は背まである黒髪を乾いた風に靡かせ、鬼達が去った方角を凝視していた。
きょろきょろと辺りを伺う妖狐の久遠は、不安気に白い耳を伏せフサフサの尾尻を
縮めていた。
久 「月讀・・これはなんじゃ ? いったい何が起きたと言うのじゃ ? 鬼達のいつもの
所業とは何やら違うようじゃが・・・」
年寄りじみた言い回しをする久遠だったが 見た目は10歳くらいにしか見えない。
月 「暗闇なので・・・はっきりとした事は判りませんが・・・久遠の言う通りですね。
詮索は明日、陽が上がってからにしましょう。
どちらにしても、鬼達の犠牲者がいるはずです、怪我人がいるやも知れません、
二手に分かれましょう。」
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