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久 「判ったのじゃ」
久遠は月讀を残して、先に建物がまだ形を残している辺りに 走りこんでいった。
長屋の辺りは、無人に近かったが、久遠と月讀が怪我人がいないか探していると
逃げた人々が少しずつ戻ってきた。
人々の口からは、゛鬼が襲ってきた" ゛竜巻が起きた" など少し異なる話が口
を突いて出たが、何人かが引っかかる事を言っていた。
゛女の鬼がいた"
言われてみると、この崩月山の鬼達は、見るからに゛女"といえるような容姿を
した者は見かけた事が無かった。
久 「そうじゃな・・・鬼にも性別があるのじゃな? だが 女姿の鬼とは・・・ここでは
初めて話を聞くのじゃ・・・月讀に言わねば・・・」
町人 「おおぃ! 子狐、ここに怪我人がいるぞ!?」
久 「おーー大変じゃ、どんな具合じゃ?」
久遠が声のする方に駈け寄り、半壊の建物の軒先にもたれ掛かっている怪我人
に声を掛けた。
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