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弥 「・・・・昨日の奴とは違うみたいだな・・・俺達の勘ぐり過ぎか? だが・・・
腕を骨折・・・気になる・・・」
久遠が急ぎ足で屋敷から出るのを確認した弥々斬は、立ち上がり屋敷に向かう
事にした。
゛顔を拝ませて貰うとするか・・・"
弥々斬は裏木戸を潜り、庭からその女のいるであろう部屋に近づく。
日当たりの良さそうな部屋の割には、障子戸が閉められており、中では人の動く
気配がする。
弥々斬は鬼だけあって この辺りの人に比べれば、体格もがっしりとしているが
縁側の床板に上がりこんでも、軋む音さえしない。
弥々斬は気配を消して、部屋の中の音に耳を澄ませていたが、暫くして部屋の
中で何かひっくり返した様な音と共に、叫び声が聞こえてきて、思わず障子を開
け、中に飛び込んでしまった。
゛しまった・・・"
と、一瞬脳裏に愚行の念が浮かび、相手の反応を読み取ろうと部屋の奥に眼を
向けた。
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