第 1章  巫女 

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竜 「あの鬼子母神・・体を支えていた時に、柘榴の実の香りがした」 弥 「柘榴・・・ああ・・その赤い色は柘榴の実の汁か・・・」 竜 「鬼子母神の伝記だが・・・我が子を失った悲しみの深さに、鬼と化してしまっ    た母親の話しだ。    鬼となった鬼子母神は、我が子を探して放浪し、やがて人間の母親を羨み    その赤子を誘拐い、終いには食らってしまう・・・と言う。    また、沢山の我が子を育てるために、人の子を誘拐い食い物にしているうち    に 釈迦に自分の子供を隠され、攫われた母親の気持を思い知り、改心し    本当の 子育ての神になった・・・と言う説もある」 弥 「それと 柘榴の実の関係は?」 竜 「釈迦が鬼子母神に 二度と赤子を食らわせないように、血の味に似た柘榴    の実を与えた・・・と言う 結末らしい」 弥 「単なる言い伝えだな。柘榴の実は 血の味はしない」 竜 「色はちょっと 似てるがな。 弥々斬の話は?」
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