54人が本棚に入れています
本棚に追加
彼らはこの常盤國の崩月山に古から住まう 人ならぬ存在、「鬼」と呼ばれる
宿業を持つ者達だった。
ここ崩月山には数多の鬼が住まうが、彼らはその中では別格で、鬼にして
特別な力「五行」をそれぞれ得手とする「鬼神」的存在だ。
だが、彼らの糧は人間の恐怖心から生まれる 負のエネルギー、そして血肉
だった。
飢えと乾きが頂点に達する時、彼らはただの捕食者と化す。
街は宵闇のなか、所々紅い炎が立ち上がっているのが見える。
街に近づいた彼等の姿は、まさに鬼に変化していた。額には2本の角が
その手の爪は長く伸び、つりあがった目、雄たけびを上げるその口には
獣のような牙が見える。
3人はその混沌の闇の中に消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!