第 1章  巫女 

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煙が引いていくと、その全貌が露わになる。 町並みの一部が吹き飛んでいる・・・そしてその中央に一人の女が俯き加減で 佇んでいた。 その全身からは、怒りに似た負の力が揺らめくように発せられている。 “誰だあれは・・・見たことも無い姿格好だ・・ ” 茶褐色の長い髪を風に靡かせ、その瞳は獣の様に瞳孔が輝いている。 逆立っている前髪の一部が白髪で、遠目からは角の様にも見える。 彼女の視線がゆっくりと竜尊に向けられた・・・次に彼女が何か小声で呟いた。 「・・・! ちっ・・御柱っっっ!」 とっさに術を放ち、土の壁を眼前に打ち立てたが、僅かに遅れた分何かが腕を 掠めていった。 だが、掠めていった(何か)は 見当たらず、目の前の土の壁は、音を立てて崩れ 竜尊の左腕からは、赤い血が流れる。
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