真実と邂逅

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「って、ふざけてる場合じゃなかった!幹部さん達の話です」 ウルは思い出したかのようにミアに尋ねた。 「あっ、はい。幹部の方たちは基本的にゼノ様の魔力によって作り出された方がほとんどです。その作り出された方の中にはセシル様やバリファ様のような元は竜人だった方もいます。それ以外の方は一般的に“魔族”と呼ばれています。これはキンガゼル様をはじめとする多くの幹部の方は魔族に含まれます」 基本的に幹部の大半が、ジークによってゼノが別空間に封印されていた十年間の間に彼の魔力による作り出された魔物である。 だがその魔物の中にごく稀に、非常に強い魔力と自我を持つ魔物が生まれた。それが幹部として含まれており、現在のⅦ~ⅩⅡの6名がこれに値する。 「ただⅢ番のノイラージャック様は、魔族ではありますがゼノ様によって作り出された訳ではないみたいです。元々ゼノ様が滅ぼされたある世界の方だったようなのですが、その際ゼノ様の配下として付いていくことを決めたようです」 「それでⅡ番のニルピュアー様とⅤ番のガリール様は他の方達とは少し違ってですね……。あのお二人は元々人間の方です」 「に、人間ですか!?」 ウルは驚きを隠せなかった。 ――ま、まさか幹部の中に人間がいるなんて。でもなんで?どうしてこの世界を破壊しているゼノさんに加担する。人間なのに。 「あっ、でも半分人間の方と言いますか……。半分竜人といいますか……。とにかくお二人は私達とは違って“今も生きている方”です」 ――半分人間であり、その半分は古代に滅んだとされる竜人という人種。そして現在進行形で生きている。 過去には竜人と人間の間に生まれた子もいたという。 まれに突然竜人としての能力を目覚めさせる人間がいたとどこかの書物に書いてあった。 そのミアの言葉から、ウルの頭はすぐに彼女が何を伝えようとしているかを理解した。 「いわゆる先祖返りとかですよね?」 ウルの言葉に、ミアは小さく頷いた。 「はい。でもお二人の詳しいことは私はわからないです。あっ、あと基本的にナンバーの小さが強さの指標となってるみたいです。ですがこれはゼノ様ではなくノイラー様が付けた物ですので、ゼノ様自身はあまり気にしていないようです」
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