Lv.0 上

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 平八郎はサッとシャワーを浴びたあと、買ってあった缶ビールを片手にテレビの前に座った。  テレビの電源を入れると、丁度深夜のくだらなくも面白いバラエティー番組が終わって、カラーバーと信号音が放送され始めた。 思わず鼻から短い嘆息が漏れる。  持っていたままのリモコンでテレビの電源を落とす。  カチカチと壁の時計が鳴る。  平八郎は、ふと思い出したように鞄に手を伸ばすと、何かを探すように中を探り始めた。 鞄から出てきた平八郎の手には、1本のスーファミのカセットが握られていた。  タイトルのラベルは真っ白で何も印刷されていない。 昨日の出張先で入手したものだ。 「2時間あれば充分だ」
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