序章

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時は9月。 キャリフォルニアベースの一室に、一人の中年の男がいた。 「もう秋か… 来年の春にはポトマックの桜をのんびりと見たいものだが…」 そう呟きながら窓の外を眺める男の名はカール・オルデンドルフ。 彼は、これから創設される新設部隊の司令を任されていた。 遊撃特務大隊。 あらゆる戦線での異常に対応するために、増援の緊急派遣を行うこの新設部隊は、オルデンドルフの提案から始まった。 開戦から9ヶ月。 最初はモビルスーツを前に苦戦を続けていた連邦軍も、徐々にこちらの戦術を見抜き、反撃の方法を確立していた。 味方の被害が徐々に増え、連邦軍のMS開発も噂される中、固定された戦力では柔軟な作戦が取れない。 オルデンドルフのそんな危機感が、この部隊の創設につながったのだった。
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