18人が本棚に入れています
本棚に追加
時は9月。
キャリフォルニアベースの一室に、一人の中年の男がいた。
「もう秋か…
来年の春にはポトマックの桜をのんびりと見たいものだが…」
そう呟きながら窓の外を眺める男の名はカール・オルデンドルフ。
彼は、これから創設される新設部隊の司令を任されていた。
遊撃特務大隊。
あらゆる戦線での異常に対応するために、増援の緊急派遣を行うこの新設部隊は、オルデンドルフの提案から始まった。
開戦から9ヶ月。
最初はモビルスーツを前に苦戦を続けていた連邦軍も、徐々にこちらの戦術を見抜き、反撃の方法を確立していた。
味方の被害が徐々に増え、連邦軍のMS開発も噂される中、固定された戦力では柔軟な作戦が取れない。
オルデンドルフのそんな危機感が、この部隊の創設につながったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!