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電車の到着を知らせるアナウンスが聞こえる。
ひさしぶりの満員電車に憂鬱になる夏休み明けの9月1日。始業式と、今日は防災の日なので避難訓練がある。
今日から冬休みまでずっと男だらけなのは最悪だ。孤独よりは良いが女がいないのはそれはそれで辛い。
ホームから溢れんばかりの人、そして夏の余力を存分に持て余した太陽の日差しにシャツは汗まみれだ。
電車が目の前で停車し、俺は車内に押し込まれる。いや、詰め込まれるのが正解かもしれない。もう客は荷物同然だ。
3Dの迫力で見える脂ぎったおじさんに囲まれ30分。その間に女の子に一目惚れ、……があるはずが無い。
学校が男だらけなんだから電車の中くらい出会いが欲しい!
と思っても世間は甘い訳が無い。
一部の変態が『痴漢』なんていう犯罪をするから女性専用車なんて車両が出来てしまったんじゃねーかよ。女子高生はみんな女性専用車に行っちまったし……。
学校でも電車でも出会いのかけらも無い。俺は正直半ば諦めてる状態だ。
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