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「総司」
僕は名前を呼ばれ、振り向いた。
「土方さん」
「近藤さんは部屋か?」
「はい。たぶん部屋にいると思いますが…というか、土方さん…最近姿を見ないと思ったら…一体どこに行ってたんです?」
「あ?お前には関係ねぇよ」
「あ~はいはい。わかりました。どうせ女の人の所にでも転がり込んでたんでしょ?」
「おい、なんだ?お前は俺が出かける理由は全部女絡みの事だと思ってんのか?」
土方さんの眉間にしわが寄った。
「え?違うんですか!?」
「てめ…後で道場こい。ボロボロにしてやるから」
「土方さんじゃ僕を倒すのは無理ですよ」
今度は眉間のしわに加え口元がひきつり、拳をふるわせていた。
「こンの…クソガキが…」
「僕もう子供じゃないですよ」
「はっ…!まだまだガキだっつーのっ!!…あ?凛?」
土方さんは門のほうをみて呟いた。
「本当だ。凛…え?」
僕はその光景をみて唖然としてしまった。
「なんで凛と芹沢が?」
土方さんの言葉は耳ではとらえていたが、僕の頭には入ってこなかった。
そして、僕の体は勝手に動いていた。
「おいっ、総司っ!!」
土方さんが僕を呼んだ気がしたがそんな事はどうでもよかった。
僕は凛たちが歩いていったほうに向かって走った。
「……はぁ…散々人の事言いやがって…女追っかけてるのはお前じゃねぇかよ」
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