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凛…
そうだったんだ…
僕たちを護るために一緒に京に来たんだ…
凛が一緒に京に行くって言った時はみんな反対した。(僕的には一緒にいたかったから嬉しかったけど)
でも凛は引き下がらなくて土方さんが『京に行く俺たち8人全員と一本勝負をして勝てたら連れて行ってやる』という無理難題もこなしてみんなを納得させた。
あんなに必死になってたのはこのためだったんだ…
凛…
大人になったね…
「あれ?総司?」
はっ!!!
しまった…
感動してたらつい気配を消すのを忘れてたっ
「あ~凛、芹沢さん。きっ奇遇だなぁ~こんな所で会うなんてぇ~」
うっ…
我ながら演技下手だなっ
これは見破られるんじゃ…
「総司も甘味食べに来たの?」
気づかれなかったぁ!!!
ありがとうっ凛!!
「いや、ちょっと街を歩いていただけだよ。」
「そっかぁ…じゃ一緒に帰る?」
「うん」
「不知火。俺は少し寄る所があるんでここで失礼するよ」
芹沢さんが店から出てきた。
「はいっ、ごちそうさまでした」
凛が頭をさげると芹沢さんは屋敷とは反対の方向に歩いていった。
「総司、行こ」
「凛ちょっと待ってて」
さっき僕の見間違いじゃなければ芹沢さんは…
僕は芹沢さんの後を追いかけた。
「芹沢さんっ」
「沖田くんか。どうした?」
「…さっき…僕の見間違いじゃなければ…凛が話していた時に一瞬だけあなたの瞳が変わりました…まるで、獲物を見つけた獣のような…」
「…」
「あなたが何を考えているのかはわかりませんが、もし凛に危害を加えるような事をしたら…」
「そしたらどうするんだ?」
「僕は迷わずあなたを斬ります」
「ほぅ…」
「話はそれだけです。失礼します」
僕は笑顔で挨拶をし、凛の所へ戻った。
「…沖田総司…なかなか侮れないな…」
「それに、あんな殺気を放つ奴に会ったのは初めてだ」
フッ…
沖田くんの先が楽しみだな。
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