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「なんで芹沢さんと一緒にいたのさ」
僕は凛に問いかけた。
「平山のお詫びだって」
凛は団子を食べたせいか機嫌が良い。
僕は少し複雑な気分になった。
「だからといって2人きりで行くことないじゃん…いくら歳が離れてるとはいっても芹沢さんは男だし…」
「総司は心配し過ぎだよ大丈夫、私みたいな子供は芹沢さんみたいな人は眼中にないよ。というか…総司、本当は私たちの後ついてきたんじゃないの?」
ぎくっ!!
「ちっ…違うよ」
「ふ~ん」
やっぱり騙しきれないのか…?
しばらく喋らなくなったと思ったら凛が僕の袖を引っ張った。
「総司…」
「なに?」
凛は今までご機嫌だったのに急に表情が曇った。
「私を…独りにしないで…」
その時の凛はまるで迷子になった子供のような…怯えた瞳をしていた。
「急にどうしたの?…大丈夫だよ…僕は凛のそばにいるから」
僕はそんな凛に頭を撫でてやることしかできなかった。
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