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「芹沢さんっ!!凛ちゃんと団子食いに行ったって本当ですかっ!?」
平山が芹沢さんの目の前で騒いでいる。
「ずるいですよっ芹沢さんっ!!」
ちぇっと下を向いて小石を蹴るまねをした。
「バカやろう。俺はあんなガキにゃ興味ない」
「じゃあなんで一緒に行ったんですかっ!?」
「はぁ…」
芹沢さんはあきれたようにため息をついた。
「不知火を…こちら側に引き込むつもりですか?」
私…新見錦は芹沢さんの考えを聞いた。
「さすが…お前は話が早いな」
芹沢さんはふっと微笑して自分の部屋の奥に座った。
私たちもその後につづいて部屋に入り、いつもの場所に座る。
「凛ちゃんを俺たち側に引き込むって…どーゆう事ですか?」
「いずれ…近藤くんたちと俺たちは対立するだろう。だが…今の状態からすると近藤くんたちの方が人数が多い上に試衛館一同は皆相当な手練れだ。」
…確かに…
沖田くんや不知火さんのような剣豪、近藤さん土方くんと言った大将気質に、教養がある者もいるし槍を巧みに扱う者もいる。
そんな奴らと対立しても明らかにこちらが不利だ。
「なるほど…沖田くんを打ち負かす力量のある不知火なら戦力になりますね…」
平間が納得していた。
「それに、聞けば不知火さんは試衛館一同に大切に扱われてきたそうで…奴らの弱みでもありますね」
芹沢さんはニッと黒い笑みを浮かべた。
「わかってるなら話は早い…だが…」
なんですか?と私が尋ねると芹沢さんは眉間にしわを寄せながら話した。
「問題がある…沖田くんだ。彼は感が強い上に人の瞳を見て心を覗く。彼に気づかれないように不知火を引き込むのは難しい…」
平間が芹沢に続いて言った。
「ただでさえ忠誠心が強そうな不知火を引き込む事が難しいのに…」
「なぁに、そんなの簡単だぜっ!!要は凛ちゃんが俺に惚れればいいんだろ?任せてくださいって!」
『…』
平山が喋った直後、芹沢さんからため息が聞こえたら。
こいつと関わると頭が痛くなる。
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