岡田以蔵

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…確かこの辺から声が聞こえたよな… 僕は声が聞こえた方に向かって歩いて行った。 …人の気配… 僕は茂みに隠れて様子を伺った。 …なっ…!! そこには血の付いた刀を持った1人の男が立っていた。 その男の横にはそいつが斬ったと思われる死体が横たわっていた。 男はその場から立ち去ろうとした。 「待て」 「?」 「その人はお前が斬ったんだろ?着ている服からしてその人は奉行所の役人だ。お前は攘夷浪士か?」 「だったらなんだ?」 男はニヤリと笑みを浮かべた。 「斬るっ!!」 僕は刀を抜き構えをとった。 僕が構えをとった瞬間男が僕に突っ込んできた。 キィィンッ!! 僕は男の太刀を受け止めた。 「なに?」 僕が受け止めた事に驚いたのか、男は顔をしかめた。 男の刀を押し上げて斬りかかる。 腹部めがけて斬りかかったのだが、男がとっさによけたので服が裂けただけだった。 「お前…強いな」 男は僕と少し距離を置いて言った。 その時の顔は子供が新しい玩具を見つけたようなそんな顔だった。
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