600人が本棚に入れています
本棚に追加
/721ページ
…確かこの辺から声が聞こえたよな…
僕は声が聞こえた方に向かって歩いて行った。
…人の気配…
僕は茂みに隠れて様子を伺った。
…なっ…!!
そこには血の付いた刀を持った1人の男が立っていた。
その男の横にはそいつが斬ったと思われる死体が横たわっていた。
男はその場から立ち去ろうとした。
「待て」
「?」
「その人はお前が斬ったんだろ?着ている服からしてその人は奉行所の役人だ。お前は攘夷浪士か?」
「だったらなんだ?」
男はニヤリと笑みを浮かべた。
「斬るっ!!」
僕は刀を抜き構えをとった。
僕が構えをとった瞬間男が僕に突っ込んできた。
キィィンッ!!
僕は男の太刀を受け止めた。
「なに?」
僕が受け止めた事に驚いたのか、男は顔をしかめた。
男の刀を押し上げて斬りかかる。
腹部めがけて斬りかかったのだが、男がとっさによけたので服が裂けただけだった。
「お前…強いな」
男は僕と少し距離を置いて言った。
その時の顔は子供が新しい玩具を見つけたようなそんな顔だった。
最初のコメントを投稿しよう!