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「お前じゃ私の足元にも及ばないわ」
あえて挑発する。
この手の相手は挑発させて勝手に熱くさせれば自滅する。
「ほら、かかってきなよ。私を倒したいんじゃないの?」
「私、すごく強いよ?でもこうやって隙を見せている今ならお前でも倒せるんじゃない?」
あははっ!と態とらしく、相手が不快に思う様に笑って見せた。
すると、
「このガキがァァァァアアっ!!」
男は見事にハマり私に向かって来た。
あらら…思ったより怒った。
私は男の攻撃をかわし、脚の腱を小刀で斬った。
「ぐあァァ…あっ!!」
男は悲鳴をあげ、その場に倒れ込んだ。私は男の刀を奪った。
「…脚を斬ったからもう刀は振れない。これ以上、人の命をむやみに奪わないで。」
「とどめを刺せ…」
男は痛みを堪えながら私に言ってきた。
「私は…できるなら人の命は奪いたくはない。」
「情けなどいらない…っ」
「情けじゃないよ。本当に殺したくないだけ。生きて…これからの人生を大切にして。」
私は言いたいことをすべて言い終えて、総司の方に向かった。
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