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私はこの前甘味屋で会った岡田の事を思い出した。
総司は岡田は許せない事をしていると言ったけど…
私達は岡田達、倒幕派を斬ろうとしている。
それは、幕府にとっては正当化していい事だけど、倒幕派からしてみれば、悪いのは私達。人斬りは私達。許せない事をしているのは私達。
人を斬ることに変わりはないから仕方ない事だ。
だから…岡田も私も同じ人斬りだ。
けれど…私が人斬りになることで…護れる物も、きっとあるはずだ。みんなに恩返しをしたい、という目的もある。
これを見失わなければ、大丈夫…命の大切さを忘れなければ大丈夫…
すると…なぜだか急に…肉を切り裂いた、あの日の事を……感触を思い出してしまった。
……怖い…手が震えている…
覚悟を決めたでしょ?私。しっかりしろっ!!
私は左手で震える右手を押さえつけた。
「…」
その様子を総司が見ていたことに私は気付かなかった。
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