総司vs岡田

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「くっ…曲者ーーーーーー!!!!!」 男の叫びにより、幕府の役人達は一斉にその方を向く。 が、敵はすでに会津侯の方へ向かっており、それを阻止しようとした数名は目にも留まらぬ速さで薙ぎ倒され、敵はもう、すぐ会津侯の目の前にいた。 「殿ーーーーーー!!!!!」 誰もがもうダメだと思った瞬間… ガッキィィィィィンッッ!! 辺りに金属音が鳴り響いた。 「!お前はっ…!!」 「久しぶり。岡田さん♪」 目の前には街娘が見たら一目で虜になってしまうだろう清々しい笑顔をした沖田の姿があった。 「沖田…総司っ!!」 岡田は沖田の登場に動揺している様子は無く、沖田の登場に対して、嬉しいような悔しいような顔をしていた。 沖田は岡田の刃を横へいなすと、そのまま岡田に突っ込んで行った。 「!?あの者は何者だ!?」 沖田の登場により会津侯の命は救われたものの、一行に動揺が走る。 すると、道の端にある林から十数名の浪士達が飛び出してきた。 「死ねぇぇぇぇぇ!!!」 1人の浪士がまた会津侯を狙い、突っ込んで来た。 が…… ザシュッッッ!!! 「…全く…総司は…みんなに合わせるって事ができねぇのか?」 会津侯に向かって来た浪士は永倉によって斬り捨てられた。 よく見ると、飛び出してきた浪士は会津侯に向かって来る気配は無く、沖田、永倉、山南、以外の試衛館メンバーを2~3人で取り囲んでいた。 「会津侯。お怪我は!?」 山南が会津侯に跪き、言葉をかけた。 「無い。お前達は何者だ?許す、名乗れ」 「ありがとうございます。私は山南敬助と申します。我等、試衛館道場一問、浪士組は幕府に…松平様に身命を賭してお仕えする所存っ!!」
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