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再び戻って、ここは迷わせの森である。
エリシアは自分が消滅させた村の跡地で眠るのも木がひけたので、再び森の中に戻ってそこで夜を過ごすことにしたのである。
「あーもうっ!村は無くなってるわ、死人どもに襲われるわ、あげく村一つ消しちゃうなんて・・・・最悪じゃない」
今、彼女の機嫌は本当に最悪である。
むやみやたらと近づくと、一瞬の内に細切れになるだろう。
物理的に。
「やめやめっ、もう寝よう!」
森とは仲がよいエルフは、そのテリトリーの中ならば自分に害のある生き物が近づくと直ぐに察知できる。
なので本当は地面で寝ても問題は無いのだが、彼女のポリシーというのか、地べたで寝るのはぜったに嫌なのである。
よって、エリシアは野宿の際には木の上で寝る。
其処が平野ならば寝ずに歩き続けるし、町の中だったら勿論宿屋のベッドで寝る。
今回は森の中、それもそこそこ危険度の高い森である。
エリシアは用心に用心を重ねることにした。
「結界魔法、発動・・・」
手ごろな大きさの木を見つけたのか、エリシアは既に一本の枝の上で横になっていた。
そして欠伸をかましながらも、人間の中では高位に位置する“結界”の魔法を発動させた。
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